当店はどちらかと言うと価格設定が安めで、大衆的庶民的で、ラフでおおざっぱで適当でいい加減な居酒屋っぽい飲食店に分類されるかと思いますが、調味料には少しだけこだわっています。
静岡産のものを出来るだけ使うことに命を懸けている当店は「あらしお」という塩を使っています。
「あらしお」は静岡市駿河区の広野にあるあらしお株式会社が製造、販売しています。
…実は通っていた小学校の学区内にあるんですね。小さい頃は全く知りませんでした。
実家のキッチンにはいつもこの「あらしお」が置いてありました。
恐らく静岡のほとんどの家庭にはあらしおが置いてあると思います。
つまり静岡人の身体はあらしおでできていると言っても過言では無いでしょう。
お店をオープンした当初はその辺に売っている、“よくある塩”を使っていました。
もちろんそれで問題は無かったのですが、ある日母から「あらしおを使ってみたら」と勧められたので、実際に使ってみたらなんと料理が一段階美味しくなりました。
これは誇張ではなく、本当に味が変わったのです。
若しかしたらそれは『美味しくなった』と言うよりも『より馴染みの味、静岡の味に近づいた』という表現の方が正解かも知れません。
とにかく、あらしおにしたことによって『私がお客様に味わって欲しいと思う静岡はコレなんだ!』と自信が確信に変わったのです。母に感謝です。
あらしおさんのウェブサイトを見ると、“あらしおの歴史”が紹介されています。
これを読むとなんと1,500年以上の昔、飛鳥時代くらいには駿河地区では既に塩づくりが行われていたようです。
そして、かの徳川家康は静岡の塩を大切にしていたそうです。
日本の食文化を支えてきた静岡の塩。誇りを持ってこれからも使い続けたいと思います。