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戦乙女をValkyrieと称すなら鬼乙女は何と申すか

※パルちゃんは成人しているのでお酒はオッケーです。

本日ご紹介するお酒は『若竹 鬼乙女 -恋-』です。

島田市の大村屋酒造場さんのお酒です。

鬼乙女というお酒は大村屋さんが季節ごとに出す限定酒のシリーズで、春は“夢” 夏は”恋” 秋は”幸” 冬は”涙”と名前が付いていてそれぞれ味が違います。

どれも角が生えていることに注目です

この四文字で四季を通じたとある女性のストーリーを思い浮かべてしまいますね。

“鬼乙女 -恋-”は夏酒らしく涼しげな色合いですが味はもちろん本格派。

静岡県産の「誉富士」というお米と静岡酵母を使って作られた純米酒。上立ち香はメロンのような、バナナのような上品な香りが鼻をツンツンと誘惑してきます。

一口含めば、フレッシュでみずみずしい旨味がぱあっと口いっぱいに広がります。さながらそれは夏の夜空に咲く大輪の花火(割物・芯入り菊)の如し。

軽いお酒ですので後を引く感じではありませんが、舌に残る淡い余韻がいろいろあったあの夏を想起させます。

因みに私にとっての静岡の夏の思い出と言えば、倍川花火大会の最後を締めくくるナイアガラです。


大村屋酒造場さんは、日本酒の会を何度も何度も引き受けてくださり、当店はとてもお世話になっている蔵です。

記念すべき第一回 静岡のお酒とおでんを愛でる会のポスター

社長の松永孝廣さんとお話をして、とても印象に残っているものがあります。

私が「180年以上もお酒を造り続けてこられた秘訣とはなんでしょうか?」と尋ねると、松永社長は一言「運です。」と仰いました。

松永社長
美味しい水がずっとそこから出続ける事。それだけです。こればかりは運です。

今、静岡県はリニアの開通工事に『待った』を掛けている状態です。

それは大井川の水量が減少する可能性があるから、水質が変わるかも知れないから、といったことがその理由ですが、その大井川のお水を使ってお酒を造っている大村屋さんにとってこの件は切実でとても大きな問題であると思います。蔵の味や出荷量が根本的に変わってしまうかも知れませんからね。

私は大村屋さんの造るこの美味しいお酒をいつまでも飲み続けたいと強く願っています。

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