今日は当店の原点とも言うべきお店を紹介します。
それは静岡市にある滝浪商店、通称“かどや”です。
http://tabelog.com/shizuoka/A2201/A220101/22016448/
私の静岡おでんデビューは高校生の時です。
部活の先輩に連れられて来たのがこのお店でした。
おでんはいつも自宅で父の作ったものを食べていました。
所謂「しぞ~かおでん」のスタイルとして外で食べたのはこの滝浪商店が初めてです。
こう言うと自己否定になるかも知れませんが、私の考える『静岡おでん』とは繁華街にある飲み屋の1メニューでは無く、近所の駄菓子屋のワンコーナーです。
この手狭さ、この生活感、そして面倒見の良さそうなおばさん(笑)。これが本来の静岡おでんの姿だと思います。
この出汁の黒さ、おでん串が乱立している姿。もう涎が止まりません。
鍋を仕切っている黒い板にこのお店の歴史を感じます。
おでんは自分で勝手に取って、だし粉(鯖や鯵の削り節を細かく砕いたもの。決して鰹節ではない)とカラシを勝手に付けて食べる!
かどやの昆布は最強に美味いです。生きていることに喜びを感じられる奇跡の産物です。
速攻で完食。1本70円なのでこれで350円(途中で糸こんにゃくを追加)。
学校の帰りに上、下級生みんなで鍋を囲んで、おでんをつまみながらその日の出来事や将来への不安を語らう。そんな高校時代でした。
あれから20年以上経ちましたが、かどやは健在です。
『全然儲からないけどね。』とおばさんは言っていましたが、いつまで末永く続いて欲しいと思います。
かどや(滝浪商店)…静岡駅から徒歩25分